11月。
木々の葉が色づきを深め、朝晩の空気も徐々に冷たくなってきました。
とはいえ、まだ冬の入り口。
厚手のコートや本格的な暖房器具を出すには、少し早い気もする。
そんな季節のあいだのタイミングこそ、あたたかい時間を丁寧に整えるチャンスです。
秋から冬へ、暮らしにぬくもりを添える、ささやなしつらえのヒントをご紹介します。
お気に入りのマグカップから始まる、あたたかいひととき
肌寒い朝や、陽が落ちたあとのひと息に。
あたたかい飲みものをゆっくりと味わう時間は、心を緩めてくれるものです。
この時季は、ぜひお気に入りのマグカップを主役にする空間づくりを意識してみてください。
・マグの隣に紅茶缶やコーヒー道具を並べる
・木のトレイにキャンドルと一緒にディスプレイする
・読みかけの本と並べて「読書のおとも感」を演出する
コーナーを整えることで、自然と「そこに座って休みたくなる」空気が生まれます。
道具としてではなく、自分の時間の象徴としてマグを飾る。
そんな視点が、冬支度の第一歩になるかもしれません。
ひとり時間に寄り添う、あたたかい光
日が短くなり、照明の存在感が増してくる11月。
天井の明かりだけではなんとなく寒々しく感じる…
そんなときは、やわらかな灯りを足すのがおすすめです。
・手元を照らす読書灯
・間接照明で壁に広がる光
・キャンドルやランプのゆらぎ
なかでも、あえて暗さを残すくらいの明るさは、視覚的にも心を落ち着かせてくれます。
お気に入りの椅子と膝掛けを用意して、本や手帳を持ち込む。
そんな「小さな書斎」のような空間があれば、寒い季節もむしろ楽しみになるはずです。
玄関や寝室に、ほんの少しの冬支度を
家のなかで最初に冬の気配を感じるのは、玄関と寝室。
外との温度差が大きいからこそ、このふたつの空間に少しだけ冬寄りのアイテムを足してあげましょう。
●玄関
・ウールやツイード素材のスリッパ
・木の実やドライフラワーを使ったリース
・玄関マットをブラウン〜チャコール系にチェンジ
●寝室
・ふわふわのブランケット
・起毛素材のクッションカバー
・間接照明やキャンドルで視覚のあたたかさをプラス
少しだけ布感が増えたり、色味が深まったり。
そんな変化の余白が、季節を楽しむ気持ちをゆるやかにつないでくれます。
秋の名残と、冬の始まりを混ぜて楽しむ
11月は、秋の終わりと冬の入口が混ざりあう特別な時期。
だからこそ「どちらも楽しむ」というしつらえが似合います。
・落ち葉や実ものなど、ブラウン系のモチーフ
・ウールやモヘアなど、冬らしい質感
・深みのあるテラコッタやマスタードを残しつつ、グレーやネイビーを差し色に
たとえば、木のトレイにドライフラワーとウールのコースターを並べたり、ブラウン系の花器に冬素材の枝ものを飾ったり。
季節が溶けあうような組み合わせを楽しんでみてください。

